STONEψWINGS第8回公演

令嬢ジュリー

中央公論新社共催

 美しいものも醜いものも、ありのままに人間を描いたストリンドベリ。目を背けたくなる冷酷な描写もさながら、性的な描写も人々にショッキングを与えました。ただ、ストリンドベリは、「令嬢ジュリー」を未来の演劇を意識しながら書いており、このありのままの人間描写は、現代に来て、より普遍性を感じます。まさに我々が目を向けざるをえない現代のメタファーに満ちているのです。
  英国を代表する、ノーベル文学賞劇作家ハロルド・ピンターの作品には「Power-Play」という要素が見られます。これは、立場の逆転です。この元祖こそ「令嬢ジュリー」であり、この両者の作家においては様々な共通点が見られます。
  全てにおいてまったく清新な現代劇として甦らせた『令嬢ジュリー』。台詞の一つ一つを丹念に練り直し、原作における多くの難点をクリアにさせ、ハロルド・ピンターのような、緊密な空気が支配する、アーティスティックでイマジナティブな台本に仕上げました。
  演出は英国式のメソッドを適用し、STONEψWINGSらしい、芸術性と創造性に富む舞台に昇華させています。

 「なにもない空間」というのは世界の重鎮演出家ピーター・ブルックの最も有名な著書のタイトルでもありますが、優れた世界の演出家たちはエンプティー・スペースをベースにした舞台創りを好みます。それはイマジネーションが演劇の宝であるから。STONEψWINGSでも長年エンプティー・スペースをベースにした舞台、客席が舞台を取り囲む舞台を創ってきました。日本人は目に見えること、耳に聞こえることに囚われすぎですが、是非とも実際には目に見えないこと、耳に聞こえないことをイマジネーションで見聞きしてください。
  今回は、まさしく「なにもない空間」でした。照明設備も音響設備もなにもない空間です。そこを芸術空間に変えたいと思います。今回の舞台は、客席が三方向から取り囲む形になります。

期間 2007/11/24 (土)~2007/11/25 (日)
劇場 中央公論新社
出演
  • 別役慎司
  • 藪崎ひと美
  • 水地優子
  • 井上健一
  • 広井憲太郎
  • 江面円香
  • 田代裕季
  • 長真由
脚本
  • ストリンドベリ
  • 翻訳・改作:別役慎司
演出
  • 別役慎司
サイト

http://www.stone-wings.com/actingschool/

※正式な公式情報は公式サイトでご確認ください。

スタッフ
その他注意事項

中央公論新社(東京都)

期間 2007/11/24 (土)~2007/11/25 (日)
タイム
テーブル
劇場 中央公論新社
料金 2,800円 ~ 2,800円
会場:中央公論新社エントランスホール特設ステージ
チケット取扱

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